ペリドットは、オリビン(かんらん石)の宝石質変種です。鉄を含む結晶そのものが黄緑~緑色を生むため、照明、色の濃さ、褐色み、透明度、カットを見比べて選びます。
AT A GLANCE
先に確認したいポイント
- ペリドットはマグネシウムと鉄を含むオリビンの宝石質変種です。
- 代表色は黄緑~緑で、鉄が発色に関係します。
- モース硬度は6.5~7、靭性は普通~良好ですが衝撃・急熱・酸に注意します。
- 色、透明度、リリーパッド状内包物、カット、充填の有無を確認します。
天然石の名前・種類から探せる総合索引と、宝石・カラーストーン系の一覧、宝石・カラーストーン系ガイドもあわせてご覧ください。
ペリドットとは
ペリドットはオリビン(かんらん石)グループのうち、マグネシウムに富むフォルステライト側の宝石質素材です。化学組成はおおよそ(Mg,Fe)₂SiO₄で、鉄の量が黄緑~緑の色調に影響します。
地球上ではマントル由来の岩石や玄武岩に伴い、パキスタン、ミャンマー、米国、中国、ベトナム等から産します。パラサイト隕石中にもオリビン結晶が見つかりますが、産地・由来の断定には検査と来歴が必要です。
色と内包物の見方
GIAは、褐色みの少ない鮮やかな草緑色を高く評価する傾向を示しています。多くは黄色みを帯び、同じ石でも照明や背景で見え方が変わります。
拡大すると黒い鉱物結晶や、「リリーパッド」と呼ばれる円盤状の反射性内包物が見られることがあります。内包物は天然の成長・変化の痕跡ですが、肉眼で目立つ亀裂や耐久性に関わる位置かを確認します。
基本データ
STONE DATA
| 名称 | ペリドット(Peridot) |
|---|---|
| 鉱物 | オリビン(かんらん石) |
| 化学式 | (Mg,Fe)₂SiO₄ |
| 主な色 | 黄緑、オリーブグリーン、緑 |
| モース硬度 | 6.5~7 |
| 比重 | 約3.34 |
| 特徴 | 比較的強い複屈折、リリーパッド状内包物 |
| 主な産地 | パキスタン、ミャンマー、米国、中国、ベトナム等 |
処理・模造品
- 処理はまれ:GIAはペリドットの処理はまれとしています。「非加熱」だけで価値が上がるとは限りません。
- 亀裂充填:表面到達亀裂を樹脂等で目立ちにくくする場合があります。
- 模造品:緑色ガラス、合成スピネル、キュービックジルコニア等が似た色で使われることがあります。
- 類似石:デマントイドガーネット、グリーントルマリン、プレナイト等は物理・光学特性が異なります。
品質を見る5つのポイント
鮮やかな緑、黄色み、褐色み、照明差を確認します。
肉眼で目立つ亀裂、黒点、曇りの程度を見ます。
左右対称、輝き、窓抜け、縁の欠けを確認します。
寸法、厚み、カラット、装着時のバランスを比べます。
天然石名、充填、産地、寸法、鑑別の有無を確認します。
用途別の選び方
- ペンダント・ピアス:色と輝きを楽しみやすく、衝撃を避けやすい用途です。
- リング:表面到達亀裂の少ない石と、保護性の高い石留めを選びます。
- ブレスレット:粒同士の衝突、穴周り、欠け、充填の有無を確認します。
- ルース:正面だけでなく側面・裏面から色、カット、内包物を見ます。
お手入れと保管方法
使用後は柔らかい布で汗や皮脂を拭きます。汚れが残る場合はぬるま湯と少量の中性洗剤で短時間やさしく洗い、十分にすすいで乾かします。酸性洗剤、超音波、スチーム、急熱は避けてください。
硬い宝石と分け、布袋や仕切り付きケースへ保管します。汗をかいた日は放置せず拭き取りましょう。
「浄化」と呼ばれる習慣について
煙や音を使う「浄化」は文化的・伝承的な習慣で、物理的洗浄や医学的効果を示すものではありません。酸、塩、熱、水への長時間の浸漬を避け、ティンシャ等は石へ直接ぶつけないでください。
よくある質問
ペリドットとオリビンは同じですか?
ペリドットはオリビンの宝石質変種名です。鉱物学的にはオリビングループに属します。
黄色みがあると偽物ですか?
いいえ。多くのペリドットは黄緑色です。褐色みの少ない鮮やかな緑が好まれる傾向があります。
非加熱は高品質ですか?
ペリドットの外観改善の加熱処理は知られておらず、非加熱表示だけで品質や価値は決まりません。
水で洗えますか?
ぬるま湯と少量の中性洗剤で短時間やさしく洗えます。超音波・スチーム・酸性洗剤は避けます。
毎日リングで使えますか?
日常使用できますが、傷と衝撃に注意し、家事・運動時は外します。表面到達亀裂や充填品は特に慎重に扱います。
まとめ
ペリドットはオリビン由来の黄緑色、透明感、輝きが魅力です。色、透明度、内包物、カット、充填表示を確認し、酸・急熱・強い衝撃を避けて扱いましょう。
参考情報
EDITORIAL INFORMATION 編集・運営:MO-LIB株式会社|天然石辞書編集部
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